定年退職の準備
定年退職前後の準備について、調べてみました。
当然各種の手続きが必要となります。
年金、雇用保険、健康保険、税金の手続きは、定年後の生活で思わぬ損をしないため重要です。
会社側からも説明がありますが、諸先輩のお話を聞いても半年ぐらい前から準備をする方が良いようです。
退職金の手続き
定年で退職する場合は、会社に対し自己申告の必要はありませんが退職金を貰うための書類を記載し提出する必要があります。
税金も勤務先で税金を計算して天引きしますので、確定申告の必要はありませんが、確定申告をした方が還付金を受け取れる可能性が高くなります。(確定申告は下のページをご覧ください。)
年金の手続き
- 「ねんきん特別便」が届いたら必ず内容に誤りがないか確認するとともに、受給開始年齢と受給する金額も確認します。年金から引かれる税金額は、「年金の税金額」で計算できます。
- 退職後に失業手当を受け取るか年金を受け取るかを比較する。(私達の世代は、61歳にならないと年金を貰えませんので失業手当を受け取るのが良いと思います。)
- 60歳から年金を貰える方は、60歳の誕生日3か月前に「裁定請求書(事前送付用)」が社会保険業務センターから送られてきます。自分の年金記録と比較してしっかり確認します。問題がある場合は、最寄りの社会保険事務所に赴き確認して貰います。確認後に裁定請求書を提出します。
- 65歳から年金を貰う方は、60歳の誕生日3か月前に「老齢年金のお知らせ」という葉書が社会保険業務センターから届きます。さらに、65歳に到達する3か月前に年金加入記録等が印字された「裁定請求書(事前送付用)」が届きますので前述と同様に内容をよく確認して提出します。
- 妻が国民年金の第3号被保険者で60歳未満の場合は、国民年金の第1号被保険者への種別変更手続きを行います。(定年退職後14日以内)
雇用保険の手続き
雇用保険の失業手当(基本手当)を貰えるのは、会社を辞める前の2年間に12カ月以上、雇用保険の加入者である必要があります。
失業手当(基本手当)の計算は、定年退職前6ヶ月分の賃金データから算出されます。
失業手当がいくらもらえるかの試算をするためには、定年退職前6ヶ月分の給与明細が必要です。
また、定年退職後に会社からもらう離職票などの書類に誤りがないかのチェックをするためにも給与明細を保管しておくことが良いと思います。
公務員の方は残念ながら雇用保険制度へ加入されていませんので受給を受けることはできません。
失業手当の金額
失業手当(基本手当)日額は、在職中に得ていた給料の1日分の額(賃金日額)の50%~80%となります。
基本手当日額=賃金日額×賃金日額に応じた率(50%~80%)
ただし、60歳以上65歳未満の方は、賃金日額の45%~80%相当額になります。
概ねの金額は、下表のとおりです。
退職時の賃金 | 賃金日額 | 給付率 | 1日当たり手当 | 1か月分の金額 |
15万円 | 5,000円 | 78% | 3,900円 | 11万7千円 |
20万円 | 6,670円 | 68% | 4,540円 | 13万6千円 |
25万円 | 8,330円 | 58% | 4,830円 | 14万5千円 |
30万円 | 10,000円 | 49% | 4,900円 | 14万7千円 |
35万円 | 11,670円 | 45% | 5,250円 | 15万8千円 |
40万円 | 13,330円 | 45% | 6,000円 | 18万円 |
失業手当の給付日数
20年以上働いた一般的な退職者は、最大で150日の給付日数が与えられます。
10年以上20年未満の方は、120日の給付、10年未満の方は、90日の給付となっています。
60歳以上で、倒産やリストラなどで職を失った特定受給資格者になると最大で240日の給付となります。
受給手続き
失業手当を貰えるのは、辞めてから1年間です。1年を過ぎると給付日数が残っていても貰えません。
受給手続きは、本人がハローワーク(公共職業安定所)に赴き行ないます。
- 離職票(会社が作成するもの、退職後にしか受け取れない。)
- 雇用保険被保険者証(会社から貰います。)
- 本人確認証(運転免許証など)
- 写真2枚(3cm×2.5cm程度の正面上半身のもの)
- 印鑑
- 本人名義の預金通帳又はキャッシュカード(インターネットバンク、外資系金融機関など一部指定できない金融機関があります。)
健康保険の手続き
定年退職後は、何れかの医療保険制度に加入の手続きが必要です。(「定年後の健康保険」)
「任意継続被保険」に加入するには、退職後20日以内に本人が健保組合に申請する必要があります。
定年退職前に、どの健康保険を入るかを、「定年後の健康保険」で比べて下さい。
健康保険は、空白期間があると、病気やケガをした場合、全額自己負担となる場合があります。
確定申告の準備と手続き
定年退職して新たに就業しない場合は、毎年、確定申告した方が還付金を受け取れる可能性が非常に高くなりお得です。
退職した年
3月末定年退職した場合、1月から3月までの給与から天引きされている税金は前年の収入から計算された税額を月割し天引きされています。実際には3か月分の収入しかない場合は、取られ過ぎてることになり確定申告をすることで還付が受けれます。
退職した年の後
年金は所得税の課税対象となり、年金受給の都度、天引きされます。
この天引きされる税金には、医療費控除(年間10万円以上)、健康保険料控除、生命保険料控除などが含まれていませんので、確定申告をすることにより還付を受けることができます。
妻の、年金の支払いも控除額の対象です。
<参考>
私がe-Taxを利用して実際に行った、退職後の確定申告について「定年後悠々自適生活見聞録」に掲載しています。
「確定申告」をご覧ください。